「朝起きると仕事に行きたくない気持ちが溢れてくる」「毎日のストレスで心が折れそう」
保育士として仕事を続けていると、心と体のバランスを崩してしまうこともあります。そして、そんな状況が続けば、職場へ行けなくなり、腹痛や動悸が起こり情緒不安定になる場合も。
そんな状態で「もう無理……」と感じるのは仕方のないことです。
この記事では、そんな「仕事に行きたくない」と感じる保育士の方に向けた対処法を紹介します。
「仕事に行きたくない」と感じたときにすべき行動
この記事を読むことで、「仕事に行けない」と感じてしまう理由を探したり、職場環境を見直したりと次のステップを踏めるようになるでしょう。
保育士が仕事に行きたくない理由
保育園で働く保育士の方々にとって、仕事に行きたくないと感じることは珍しくありません。人間関係のストレスや仕事の多さ、自分の理想の保育とのギャップなど様々な理由があるでしょう。
人間関係のストレス
保育士が仕事を避けたくなる理由のひとつに、人間関係のストレスがあります。職場での人間関係が悪化すると、日々の業務はより負担になります。
例えば、同じクラスの担任とのコミュニケーションがうまくいかず、連携が取れないと感じることがあるでしょう。また、園長やリーダーのパワハラや他の保育士からの圧力が、精神を疲労させ、仕事の質を低下させることもあります。
こうした状況は、必ずしも自分だけの問題ではないと認識することが大切です。自分を追い込まないようにしてください。
仕事の多さと疲労
結論として、仕事の多さと疲労は保育士にとって深刻な問題です。長時間にわたる勤務や多忙な毎日が、心身の疲れを引き起こします。普段の仕事だけでも精一杯なのに、行事や会議に追われ、一日中休む暇がない保育士も多いのですよね。
放置すると、体調不良や仕事への意欲低下につながります。こうした日々が続くなら、一度立ち止まって、働き方を見直してください。限界を超える前に、必要な改善策を見つけることが大切です。仕事の多さと疲労に対処することは、保育士としての心と体をを守るための第一歩です。
子どもや保護者とのトラブル
子どもや保護者とのトラブルは、かなりきつい経験です。なぜなら、保育士にとって子どもと保護者は切っても切り離せない人だからです。
話を聞かない子どもや、かんしゃくを起こすトラブルメーカーがクラスに1人はいる現状。叱りたくなくても活動が回らずに怒ってしまうことも多くあります。
実話ですが、子どもが言うことを聞かずに、強い口調であたってしまった保育士がその後、保護者と関係を悪くして退職したケースも珍しくないのです。
うまくいかないときって、誰かに相談しても自己嫌悪から、状況も悪化することが多いですよね。
理想の保育ができないストレス
保育園の方針は良いことを掲げていても、実際は違うほうが多いでしょう。ストレスから笑顔で子どもたちと関われないため、「こんなはずじゃなかった」と感じる保育士もいるでしょう。
若いうちは情熱で「子どものために」と仕事をします。しかし、上がらない給料や仕事の多さ、自分の時間を削って持ち帰りの制作と悲しさが募り「なんで保育士してるんだっけ?」と自分を見失ってしまう場合もあるのが保育士です。
モチベーションが低下すると、保育が面倒なものになります。早めに見つめ直す時間をつくりましょう。
自分の状態を見つめ直す方法
仕事に対する意欲がなくなっているときは、自分の状態を見つめ直すことが大切です。心や体が発するサインに敏感になり、無理をしないことが重要になります。また、ノートに思いを具体的に書き出すことも現状の整理に役立ちます。ストレスを解消するための方法を見つけ、心身のバランスを整える取り組みを始めましょう。
心と身体の声を聞く
仕事に行きたくないと感じた時、まずは心と身体の声を聞いてみてください。自分の本当の状態を知ることが大切です。
心身の不調は、放置してしまうとうつ病などの大きな問題に発展します。身体的な疲労だけでなく、精神的な負担にも注意を払いましょう。
例えば、寝不足や食べ過ぎが続いている場合、それは過度のストレスのサインかもしれません。気分が落ち込み、心のSOSが出ている可能性があります。
もちろん、誰しも時には気分が沈むことがあります。しかし、その状態が続くのは明らかに異常です。少しでも気になる症状があれば、無理せず自分をいたわりましょう。
ときには仕事をサボることも大切な息抜きになりますよ。
僕はたまにやっていました。
最後に、自分を責めてはいけません。心身の健康が最優先です。
状況を整理するためにノートに書き出す
状況を整理するために、ノートに書き出す方法はとても効果的です。問題を書き出すことで、頭の中をクリアになります。
ストレスの原因を書き出すと、モヤモヤとした不安が具体的になります。自分が嫌なことや反省点、改善点などの気づきが生まれるでしょう。
ノートに書く行為は、問題に向き合う第一歩です。なんとなくの不安が少しずつ解消されるでしょう。ノートを活用することは、自分自身を見つめる手段のひとつです。
ストレス解消する
ストレスを解消することは大切です。心身の健康を守るために、リラックスできる時間を作ってください。
具体的には、以下のような内容があげられます。
おすすめのリラックス方法
- 自然の中を散歩する
- アロマテラピー
- ヨガ
- 友達とのティータイム
- しっかりとした睡眠
- ゆっくり入浴
24時間の中で、運動や仕事、食事や休息など体のバランスをとることが、心のケアにも影響を与えます。安心できる友達や落ち着いた環境でリラックスしましょう。
ストレスは知らぬ間に増え続けますが、自己ケアを心がけることで緩和できます。仕事だけの毎日から、一日のご褒美として、自分をいたわる時間を大切にしてくださいね。
僕のストレス解消法は「食べる」でした。体重も4キロ増えて体が重かったです。
朝に散歩するようになって、心にゆとりが生まれましたよ。
職場環境の改善を試みる
保育士の仕事環境が不満を抱く原因のひとつです。まずは現状を冷静に見直し、自分が何にストレスを感じているのかをしっかりと把握することが必要でしょう。その上で、園長や同僚たちと相談し、具体的な改善策を見つけてください。必要であれば、専門家の意見を求めることも視野に入れてみましょう。
労働環境を見直す
労働環境を見直すことは、仕事に行きたくないと感じたときの有効な対処法です。環境が整うと、自分のや保育観にそった保育ができ、やりがいが感じられます。
例えば、自分から保育の提案をすると自分主導で活動ができます。その活動に他の保育士を巻き込むことで、自分のやりやすい環境で保育ができるでしょう。
また、勤務時間や休憩の見直しも重要です。一週間の計画を立て、その日にすべきことをリスト化しておきます。内容は簡単なものにしてください。残業を減らし達成感を得ることで仕事が楽しくなります。休憩時間も子どもが見えない場所で行うように時間を決めるものよいでしょう。子どもから離れることで、心からゆっくりするできます。
改善を試みることで、労働環境は徐々に良くなります。小さな変化でも、長期間にわたってプラスの影響を及ぼすことが期待できるため、今できることから始めてみましょう。
人に相談する
労働環境について、自分だけでは改善が無理な場合は人に相談するとよいです。自分ひとりで抱え込むのではなく、誰かに話を聞いてもらうことで、新しい視点や解決策を得ることができます。特に保育士の仕事はストレスが溜まりやすいため、心の負担を軽くする手段として周囲に助けてもらいましょう。
具体的には、職場の仲間やリーダーに相談してみるのはいかがでしょうか。同じ環境で働いているため、共感してくれたり、的確なアドバイスをくれたりするかもしれません。また、友人や信頼できる家族に吐き出すことで客観的な判断ができる場合もあります。
相談することで心が軽くなるだけでなく、信頼関係を深めることにもつながりますね。
最終的には、人に相談することで、行動する勇気と安心感を得られるでしょう。周囲のサポートを得て、より良い職場環境を作り出してください。
専門家への依頼と支援の活用
実際に「もう無理」と感じたときに最も有効な方法は、専門家への支援の検討です。依頼しなくても無料相談や専門家のYouTubeなどでマインドセットできる場合があります、
心理カウンセラーやセラピストに相談することで感情を整理し、新しい気持ちで保育ができるようになる場合もあるでしょう。
また、法的なアドバイスが必要な場合は、労働基準監督署や法律相談所などへ相談するのも有効です。こうした支援を活用することは、自己解決が難しい問題を克服するための現実的な方法です。
支援を求めることは自分を守る一歩であり、恥ずかしいことではありません。自分の健康と幸福が第一ですので、必要に応じて専門家の助けを求めることを忘れないでください。
退職と転職の判断基準
仕事への拒否反応がでると退職を考える時期でしょう。無理に働いても改善されるケースは稀です。自分の状況と照らし合わせ判断してください。
転職については計画性が鍵となります。また新しい職場でつらい思いをしては本末転倒です。情報集取を行い、自分にあった理想の働き方を見つけましょう。
辞めるべきか続けるべきかのチェックリスト
退職と継続、どちらにすべきか迷うことはよくあります。決断を助けるために、いくつかのチェックポイントを用意しました。
退職の判断チェックリスト
- 朝起きたら、仕事に行くのが嫌で動悸・吐き気・涙がでてくる
- 園長や保育士から失敗を責められる
- 自分の保育ができず不満
- 周りに相談できる保育士がいない
- 保育園の質が悪いと感じる(改善されない)
上記の項目があれば今すぐに退職を考えるべきです。心身の健康が限界の場合は、休暇したり退職を願い入れましょう。一部の人は逃げたというかもしれませんが、無理をすると働けなる可能性があります。逃げるべきなのです。
人間関係の場合は、少し配慮が必要です。本人は抱え込んでいるのに、周りは気づかないふりをしています。「そんなつもりはなかった」と言われるかもしれません。しかし、人間を育てる保育士が言い訳するのは論外です。
保育園の体制が悪く改善されなかったり、相談できる保育士もいない場合は孤立する恐れがあります。自分から改善に取り組んでも認めてもらえない場合は、そもそもこれでいいと思っている保育園のため、労力の無駄でしょう。
自分にあった理想の働き方を考え、次に進むために行動する時期です。情報を集めたり、自分の働き方を振り返ったりして保育を楽しみましょう。
新しい就職先を見つける方法
新しい就職先を見つけるには、計画的に行動することが大切です。転職は人生の大きな節目であり、慎重な準備が必要でしょう。まず、自分が何を求めているのか明確にしてください。理想の職場や勤務地、仕事内容などを書き出すことが役立ちます。
情報収集を始めましょう。インターネットの求人サイトや転職エージェントを活用すると多くの選択肢に触れられます。これらのサービスを利用することで、効率的に求人情報を集めることが可能です。
保育に特化した転職エージェントを利用すると、専門的なアドバイスが受けられます。また、就職フェアにも参加を検討しましょう。直接、顔がみえるため、質問もしやすく、安心感があります。
転職にはリスクもあるため、現職を並行して探すことが一般的ですが、心身が限界の場合は退職してから探すと落ち着いて情報を集められます。その場合、貯蓄額が生活費の3〜6ヶ月分あれば安心です。
キャリアチェンジする勇気とタイミング
キャリアチェンジには勇気が必要ですが、タイミング次第で大きく飛躍できます。現状に満足していなければ、同じ保育園に留まることがベストではないと感じているのであれば、新しい道を探る価値があるでしょう。
具体的には以下のとおりです。
- 認可保育園 ➜ 小規模保育園
- 保育園 ➜ 幼稚園
- 保育園 ➜ 児童館スタッフ
- 保育園 ➜ 学童保育
- 保育士 ➜ ベビーシッター
など
単に今の仕事をやめたいだけではなく、未来に対する具体性が重要です。新しいキャリアの準備をする中で、マッチングサイトや転職エージェントへの登録が必要でしょう。
キャリアチェンジに対する不安は当然ですが、大切なのはチャレンジを恐れないこと。ポジティブな一歩を踏み出すために、しっかりと情報を集め、計画を立ててみてください。未来を自分の手で切り拓くための大切な一歩です。
よくある質問と回答
保育士が仕事を続ける中で、様々な疑問や不安が生じることは避けられません。ここでは、よく寄せられる質問に対して、可能な限り具体的なアドバイスを提供します。不安を解消し、より良い職業生活を送るためのヒントを見つけていきましょう。
どうしても休職が言い出せない場合は?
休職は保育園が定める就業規則で可否を判断しましょう。理由は、休職制度は法的なものではないからです。もし、休職制度がない場合、可能なら園長に電話で休職理由と条件を確認しましょう。
無理だと言われるたり、自分で言い出せない場合は、弁護士や退職代行サービスを利用して申し入れができます。弁護士からの連絡だと、保育園側も休職を与えてくれる場合も多いです。
しかし、法的なものではないため無理な場合は退職を考えましょう。
周囲の理解を得るためにはどうしたらいい?
周囲の理解を得るためには、まずコミュニケーションが大切です。自分の状況や感情を素直に伝えることで、相手の共感を得やすくなります。
僕は、苦手な先輩保育士とお互いの保育の思いを正直に話し合ったことで、理解を得られ信頼関係がうまれました。
心配しすぎず、自分の思いを正直に伝える勇気を持ちましょう。周囲のサポートを得ることは、よりよい職場環境を作るための一歩です。
仕事を続けることで得られるメリットは?
仕事を続けることには、いくつものメリットがあります。具体的には以下のとおりです。
- 経験やスキルの向上
- 職場での信頼感が深まる
- 役職について責任感と達成感が得られる
- 給料が上がる(上昇傾向ではある)
まず、経験を積むことでスキルが向上します。保育士としてのスキルアップは、仕事の満足感を高め、生き生きとした充実感を得られるでしょう。
次に、職場での信頼関係が築ける点です。長く働くことで、同僚や上司、保護者との信頼が深まります。これにより、仕事が円滑に進み、ストレスが減ることもあるでしょう。
月にいただく給料も処遇改善手当や役職手当などで改善が見込める場合もあります。しかし微量にしか上がっていないため、仕事を続けるかの判断材料としては価値は低いかもしれません。
まとめ
本記事では、保育士が仕事に行きたくない時の対処法についてお伝えしました。主なポイントは以下の3つです。
【この記事のまとめ】
- 保育士が抱える悩みとストレス要因
- 自分自身を見つめ直し、心身をケアする方法
- 職場環境改善や転職のタイミングを考えるポイント
誰もがつらいと感じる時はあります。自分の気持ちを大切にし、適切な対策を取りながら前向きに次のステップに進んでください。
何度もつらい思いをし、どうしても無理だと感じたら退職を視野に入れましょう。しかし、退職が言いづらいこともよく分かります。自分で言い出せない場合は退職代行サービスを利用すると良いですよ。関連記事を参考にして、あなたにあった代行サービスを探してみてください。